問1
我が国の水力発電所(又は揚水発電所)に用いられる水車(又はポンプ水車)及び発電機(又は発電電動機)に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- ガイドベーン(案内羽根)は,その開度によってランナに流入する水の流量を変え,水車の出力を調整することができる水車部品である。
- 同一出力のフランシス水車を比較すると,一般に落差が高い地点に適用する水車の方が低い地点に適用するものより比速度が小さく,ランナの形状が扁平になる。
- 揚水発電所には,別置式,タンデム式,ポンプ水車式がある。発電機と電動機を共用し,同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結した方式がポンプ水車式であり,水車の性能,ポンプの性能をそれぞれ最適に設計できるため,国内で設計される揚水発電所はほとんどこの方式である。
- 水車発電機には突極形で回転界磁形の三相同期発電機が主に用いられている。落差を有効に利用するために,水車を発電機の下方に直結した立軸形にすることも多い。
- 調速機は水車の回転速度を一定に保持する機能を有する装置である。また,自動電圧調整器は出力電圧の大きさを一定に保持する機能を有する装置である。
- 解答
問2
次の文章は,水車の構造と特徴についての記述である。
(ア)を持つ流水がランナに流入し,ここから出るときの反動力により回転する水車を反動水車という。(イ)は,ケーシング(渦形室)からランナに流入した水がランナを出るときに軸方向に向きを変えるように水の流れをつくる水車である。一般に,落差40m~500mの中高落差用に用いられている。
プロペラ水車ではランナを通過する流水が軸方向である。ランナには扇風機のような羽根がついている。流量が多く低落差の発電所で使用される。(ウ)はプロペラ水車の羽根を可動にしたもので,流量の変化に応じて羽根の角度を変えて効率がよい運転ができる。
一方,水の落差による(ア) を(エ)に変えてその流水をランナに作用させる構造のものが衝動水車である。(オ)は,水圧管路に導かれた流水が,ノズルから噴射されてランナバケットに当たり,このときの衝動力でランナが回転する水車である。高落差で流量の比較的少ない地点に用いられる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| ア | イ | ウ | エ | オ | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 圧力水頭 | フランシス水車 | カプラン水車 | 速度水頭 | ペルトン水車 |
| 2 | 速度水頭 | ペルトン水車 | フランシス水車 | 圧力水頭 | カプラン水車 |
| 3 | 圧力水頭 | カプラン水車 | ペルトン水車 | 速度水頭 | フランシス水車 |
| 4 | 速度水頭 | フランシス水車 | カプラン水車 | 圧力水頭 | ペルトン水車 |
| 5 | 圧力水頭 | ペルトン水車 | フランシス水車 | 速度水頭 | カプラン水車 |
- 解答
問3
汽力発電所における熱効率向上方法として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- タービン入口蒸気として,極力,温度が低く,圧力が低いものを採用する。
- 復水器の真空度を高くすることで蒸気はタービン内で十分に膨張して,タービンの羽根車に大きな回転力を与える。
- 節炭器を設置し,排ガス温度を上昇させる。
- 高圧タービンから出た湿り飽和蒸気をボイラで再熱させないようにする。
- 高圧及び低圧のタービンから蒸気を一部取り出し,給水加熱器に導いて給水を加熱させ,復水器に捨てる熱量を増加させる。
- 解答
問4
1gのウラン235が核分裂し,0.09%の質量欠損が生じたとき,これにより発生するエネルギーと同じだけの熱量を得るのに必要な石炭の質量の値[kg]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,石炭の発熱量は2.51×10⁴kJ/kg とし,光速は3.0×10⁸m/sとする。
- 16
- 80
- 160
- 3200
- 48000
- 解答
問5
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 燃焼用空気は,空気圧縮機,燃焼器,ガスタービン,排熱回収ボイラ,蒸気タービンを経て,排ガスとして煙突から排出される。
- ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて,起動停止時間が短く,負荷追従性が高い。
- ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて,復水器の冷却水量が少ない。
- ガスタービン入口温度が高いほど熱効率が高い。
- 部分負荷に対応するための,単位ユニットの運転台数の増減が可能なため,部分負荷時の熱効率の低下が小さい。
- 解答
問6
ガス絶縁開閉装置に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- ガス絶縁開閉装置の充電部を支持するスペーサにはエポキシ等の樹脂が用いられる。
- ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下の SF₆ガスである。
- ガス絶縁開閉装置の金属容器内部に,金属異物が混入すると,絶縁性能が低下することがあるため,製造時や据え付け時には,金属異物が混入しないよう,細心の注意が払われる。
- 我が国では,ガス絶縁開閉装置の保守や廃棄の際,絶縁ガスの大部分は回収されている。
- 絶縁性能の高いガスを用いることで装置を小形化でき,気中絶縁の装置を用いた変電所と比較して,変電所の体積と面積を大幅に縮小できる。
- 解答
問7
次の文章は,変電所の主な役割と用途上の分類についての記述である。
変電所は,主に送電効率向上のための昇圧や需要家が必要とする電圧への降圧を行うが,進相コンデンサや(ア)などの調相設備や,変圧器のタップ切り換えなどを用い,需要地における負荷の変化に対応するための(イ)調整の役割も担っている。
また,送変電設備の局所的な過負荷運転を避けるためなどの目的で,開閉装置により系統切り換えを行って(ウ)を調整する。さらに,送電線において,短絡又は地絡事故が生じた場合,事故回線を切り離すことで事故の波及を防ぐ系統保護の役割も担っている。
変電所は,用途の面から,送電用変電所,配電用変電所などに分類されるが,東日本と西日本の間の連系に用いられる(エ)や北海道と本州の間の連系に用いられる(オ)も変電所の一種として分類されることがある。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| ア | イ | ウ | エ | オ | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 分路リアクトル | 電圧 | 電力潮流 | 周波数変換所 | 電気鉄道用変電所 |
| 2 | 負荷開閉器 | 周波数 | 無効電力 | 自家用変電所 | 中間開閉所 |
| 3 | 分路リアクトル | 電圧 | 電力潮流 | 周波数変換所 | 交直変換所 |
| 4 | 負荷時電圧調整器 | 周波数 | 無効電力 | 自家用変電所 | 電気鉄道用変電所 |
| 5 | 負荷時電圧調整器 | 周波数 | 有効電力 | 中間開閉所 | 交直変換所 |
- 解答
問8
図1のように,定格電圧66kVの電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された三相平衡系統がある。
三相変圧器は定格容量7.5MV⋅A,変圧比66kV/6.6kV,百分率インピーダンスが自己容量基準で9.5%である。また,三相変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスは基準容量10MV⋅Aで1.9%である。
過電流継電器(OCR)は変流比1000A/5Aの計器用変流器(CT)の二次側に接続されており,整定タップ電流値5A,タイムレバー位置1に整定されている。
図1のF点で三相短絡事故が発生したとき,過電流継電器の動作時間[s]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,三相変圧器二次側からF点までのインピーダンス及び負荷は無視する。また,過電流継電器の動作時間は図2の限時特性に従い,計器用変流器の磁気飽和は考慮しないものとする。
- 0.29
- 0.34
- 0.38
- 0.46
- 0.56
- 解答
問9
架空送電線路の構成部品に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 鋼心アルミより線は,アルミ線を使用することで質量を小さくし,これによる強度の不足を,鋼心を用いることで補ったものである。
- 電線の微風振動やギャロッピングを抑制するために,電線にダンパを取り付け,振動エネルギーを吸収する方法がとられる。
- がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。
- 送電線やがいしを雷撃などの異常電圧から保護するための設備に架空地線がある。架空地線には,光ファイバを内蔵し電力用通信線として使用されるものもある。
- 架空送電線におけるねん架とは,送電線各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させるために行われるもので,ジャンパ線を用いて電線の配置を入れ替えることができる。
- 解答
問10
次の文章はコロナ損に関する記述である。
送電線に高電圧が印加され,(ア)がある程度以上になると,電線からコロナ放電が発生する。コロナ放電が発生するとコロナ損と呼ばれる電力損失が生じる。そこで,コロナ放電の発生を抑えるために,電線の実効的な直径を(イ) するために(ウ)する,線間距離を(エ)する,などの対策がとられている。コロナ放電は,気圧が(オ)なるほど起こりやすくなる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| ア | イ | ウ | エ | オ | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 電流密度 | 大きく | 単導体化 | 大きく | 低く |
| 2 | 電線表面の電界強度 | 大きく | 多導体化 | 大きく | 低く |
| 3 | 電流密度 | 小さく | 単導体化 | 小さく | 高く |
| 4 | 電線表面の電界強度 | 小さく | 単導体化 | 大きく | 低く |
| 5 | 電線表面の電界強度 | 大きく | 多導体化 | 小さく | 高く |
- 解答
問11
我が国の電力ケーブルの布設方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 直接埋設式には,掘削した地面の溝に,コンクリート製トラフなどの防護物を敷き並べて,防護物内に電力ケーブルを引き入れてから埋設する方式がある。
- 管路式には,あらかじめ管路及びマンホールを埋設しておき,電力ケーブルをマンホールから管路に引き入れ,マンホール内で電力ケーブルを接続して布設する方式がある。
- 暗きょ式には,地中に洞道を構築し,床上や棚上あるいはトラフ内に電力ケーブルを引き入れて布設する方式がある。電力,電話,ガス,上下水道などの地下埋設物を共同で収容するための共同溝に電力ケーブルを布設する方式も暗きょ式に含まれる。
- 直接埋設式は,管路式,暗きょ式と比較して,工事期間が短く,工事費が安い。そのため,将来的な電力ケーブルの増設を計画しやすく,ケーブル線路内での事故発生に対して復旧が容易である。
- 管路式,暗きょ式は,直接埋設式と比較して,電力ケーブル条数が多い場合に適している。一方,管路式では,電力ケーブルを多条数布設すると送電容量が著しく低下する場合があり,その場合には電力ケーブルの熱放散が良好な暗きょ式が採用される。
- 解答
問12
配電線路に用いられる電気方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 単相2線式は,一般住宅や商店などに配電するのに用いられ,低圧側の1線を接地する。
- 単相3線式は,変圧器の低圧巻線の両端と中点から合計3本の線を引き出して低圧巻線の両端から引き出した線の一方を接地する。
- 単相3線式は,変圧器の低圧巻線の両端と中点から3本の線で2種類の電圧を供給する。
- 三相3線式は,高圧配電線路と低圧配電線路のいずれにも用いられる方式で,電源用変圧器の結線には一般的にΔ結線とV結線のいずれかが用いられる。
- 三相4線式は,電圧線の3線と接地した中性線の4本の線を用いる方式である。
- 解答
問13
図に示すように,電線A,Bの張力を,支持物を介して支線で受けている。電線A,Bの張力の大きさは等しく,その値をTとする。支線に加わる張力T₁は電線張力Tの何倍か。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
なお,支持物は地面に垂直に立てられており,各電線は支線の取付け高さと同じ高さに取付けられている。また,電線A,Bは地面に水平に張られているものとし,電線A,B及び支線の自重は無視する。
- 解答
問14
電気絶縁材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。
- 気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に絶縁破壊強度が低いが,気圧を高めるか,真空状態にすることで絶縁破壊強度を高めることができる性質がある。
- 内部にボイドを含んだ固体絶縁材料では,固体絶縁材料の絶縁破壊が生じなくても,ボイド内の気体が絶縁破壊することで部分放電が発生する場合がある。
- 固体絶縁材料は,熱や電界,機械的応力などが長時間加えられることによって,固体絶縁材料内部に微小なボイドが形成されて,部分放電が発生する場合がある。
- 固体絶縁材料内部で部分放電が発生すると,短時間に固体絶縁材料の絶縁破壊が生じることはなくても,長時間にわたって部分放電が継続的又は断続的に発生することで,固体絶縁材料の絶縁破壊に至る場合がある。
- 解答
問15
復水器の冷却に海水を使用し,運転している汽力発電所がある。このときの復水器冷却水流量は30m³/s,復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は3.1×10⁹kJ/h,海水の比熱容量は4.0 kJ/(kg⋅K),海水の密度は1.1×10³kg/m³,タービンの熱消費率は8000kJ/(kW⋅h)である。
この運転状態について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視するものとする。
(a)タービン出力の値[MW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 350
- 500
- 700
- 800
- 1000
- 解答
(b)復水器冷却水の温度上昇の値[K]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 3.3
- 4.7
- 5.3
- 6.5
- 7.9
- 解答
問16
送電線のフェランチ効果に関する問である。三相3線式1回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンスjX=j200[Ω],アドミタンスjB=j0.800[mS]とし,送電端の線間電圧が66.0[kV]であり,受電端が無負荷のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a)受電端の線間電圧の値[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 66.0
- 71.7
- 78.6
- 114
- 132
- 解答
(b)1線当たりの送電端電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 15.2
- 16.6
- 28.7
- 31.8
- 55.1
- 解答
問17
三相3線式配電線路の受電端に遅れ力率0.8の三相平衡負荷60[kW](一定)が接続されている。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,三相負荷の受電端電圧は6.6kV一定とし,配電線路のこう長は2.5[km],電線1線当たりの抵抗は0.5Ω/km,リアクタンスは0.2Ω/kmとする。なお,送電端電圧と受電端電圧の位相角は十分小さいものとして得られる近似式を用いて解答すること。また,配電線路こう長が短いことから,静電容量は無視できるものとする。
(a)この配電線路での抵抗による電力損失の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 22
- 54
- 65
- 161
- 220
- 解答
(b)受電端の電圧降下率を2.0%以内にする場合,受電端でさらに増設できる負荷電力(最大)の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,負荷の力率(遅れ)は変わらないものとする。
- 476
- 536
- 546
- 1280
- 1340
- 解答
正誤表
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| - | - | - | - | - | - | - |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| - | - | - | - | - | - | - |
| 15-a | 15-b | 16-a | 16-b | 17-a | 17-b |
|---|---|---|---|---|---|
| - | - | - | - | - | - |
合計得点